七五三の帯で、思い出したこと
引き続き、実家の片づけ中です。その時、母が「捨てるに忍びない」って、よく口にするんです。私は、それを“昭和的なもったいない感覚”だと思っていました。
使わないものを取っておいても仕方ないのにと、少し呆れる気持ちがあったんです。
ところが、先日、自分の七五三の作り帯が出てきました。最初は「こんなの、あったなぁ。でも使わないし、捨てよう」と思ったのに、少し大きな箱のふたを開けて、中を見てみると、なぜか手が止まりました。
そういえば。
忘れていたけど、毎年、ひな祭りのたびに、着物を着せてもらっていたんです。少し大きな黄色い私の帯と、小さめでピンクの妹の帯。そうそう。もうすぐ着物が着れると、毎年、心待ちにしていました。
思い出を手放さない自由
もしかして母も、それぞれのモノに、何かの時間や気持ちが結びついていたのかな。だとすると、そのモノたちと向き合って、捨てていくのは、エネルギーがいるかもしれない。
そのモノを捨てる時、もう使わないというだけでなく、自分の残りの人生を考えたときに、「もう使わない」と考えているとしたら。
ちょっと切ないですね。
少なくとも、忍びないものは、忍びないままに。
無理に手放さなくてもいい。
思い出を大切にする自由と、実家を片付けたい私たち子どもの気持ちと。一進一退の毎日です。
👉 あなたにとって「忍びないもの」は何ですか?